詩文書 69
歌人 笹本碧さんの歌
遺伝子の螺旋階段降り行けば
かすかな記憶の鰓呼吸すら
若くして亡くなった歌人 笹本碧さん。
彼女の作品を伝えたくて書きました。
現代詩(近代詩)文書という部門は、このように作家の...
北村透谷の詩
改めて書き直しました。
作品制作に対する情熱や葛藤は、いつの時代も存在します。
それは文学だけではありませんが、作家の気持ちにシンクロさせることも現代詩文書に携わるうえでは大切な事です。
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武者小路実篤の詩
一生ぶつ通して自分の信じる道を歩く
力強い信念を持ち続けていくことは難しいけれど、純粋に、そして素直な心があればふとした瞬間にその気持ちを思い出す。
迷ったら戻ってみるといいかもしれませ...
銀色夏生の詩
君の横顔を胸に深くきざむ
これかぎり失ってしまうもののように
当たり前のように側にいる人は
実は当たり前にいるのではない。
それに気付くのは離れたあとだったり失ってから。
だからこ...
笹本碧の歌 渾身の力で…
渾身の力で放つ
この年に初めて作りし酸素一粒
笹本碧さんの歌集「ここは、たしかに」より抜粋、題材としました。
サイズは99×99センチ
100×100に切ったつもりが1センチ...
佐野洋子の文
私はこの医者の笑顔のために
元気でいたいと思った
佐野洋子さんの著書『死ぬ気まんまん』より抜粋しました。
実際の佐野洋子さんの体験話で医者は聖職者だ、というシーンが書かれていました...
土井晩翠 天地有情より
紅蓮焔の波あげて星なき暗の空をやく
とても白が綺麗で捨てるに惜しい…。
そんな思いもあり切り落とした余り紙に書きました。
本来なら最後に
土井晩翠の詩 麗流と落款を入れるのが正し...
燦燦
朝ドラ主題歌を書いてみました。
現代詩文書では作品制作するときに、詩情を理解していくことは重要なポイントになります。
歌謡曲は詩情表現を学ぶ上でいいものと考えますが、残念ながら著作権の関係で...
佐野洋子の文
医者がよかったネェと本当に嬉しそうな笑顔を見せてくれたので私は感動した
本当に医者は可能な限り病気をよりよくしようと心から働いている
私はこの医者の笑顔のために元気でいたいと思った
久...
バイロンの詩
永劫のかぎりない朽ちざるもの
見られざる思想はその眼をもって
地上と天空のあらゆるものを
眺めまわしつつ想い出に耽るであろう
104✕35㌢の紅星牌に揮毫
全体的な構成は頭の中で作...
銀色夏生の詩
愛する人々への引力の釣り合いのとれた時点でバランスを保っている
この詩文を読んで思ったことは、馴れ合いにならない方がいいかもしれないこと。
一定の距離間を持つことで、安心を得ることが出来...
ヘッセの詩
大きな流れに迎合しないこと
自分の道において探し求めること
詩文を読んだときに、自分に投げかけられている言葉に感じました。
心に響く言葉を書き、表現する。
これが現代詩文書のいいとこ...
三好達治の文より
二枚の羽を一枚に合して
草の葉に憩ふ小さな蝶
君の名は蜆蝶 蜆に似てゐるから
わが庭の踊子 ゆく夏の袖模様
全体の溶け合いを考慮し、条幅用の長鋒のみで書き上げました。
小さな字は穂...
島崎藤村の詩
見よ うるわしの空の星 北斗の清き
影冱えて望みをきそふ天の花
とはの宿りも舟人の光を仰ぐためしかな
11月になると星空がとても綺麗な夜になります。
詩文の中の設定はもしかしたら夏空...
山口誓子の句
冬ざれの塩田を踏む許得て
半紙3行書き。
各行の出だしが全て漢字になってしまうため、冬をずらすように1行目を少し斜めにまとめています。
一昨日、初雪が降りましたが、とても寒くなり墨...
藤村の詩
天際遠く白き日の光を泄(も)らす雲裂けて
目にはるかなる遠海の波の踊るを望むとき
詩文本来の美しさのイメージを消さないようにしたいと思い、余白美を強調できるような表現を意識しました。
...
松根東洋城の句
仲春や 庭の繚乱古机
全体構成は落款を含め3行書きに。
最初に詩文から受けた印象は咲き乱れた花が風に吹かれて勢いよく舞う様子。
力強さと美しさの両方を表現するために墨の吸いやすい白色の...
島崎藤村の詩
敵に赴く白馬の白き鬣うちふるひ風を破るにまさるかな
詩文からのファーストインスピレーション。
古典からヒントを得、表現することに意識をおきました。
闘志と覚悟と気高さを持って何事も臨ん...